大学のレスリング部の若い部長木原淳平はチョップ先生と呼ばれ学生間に人気がある。練習中に信吉に投げられ怪我をした安治を見舞って病院を出ると、そこに安治の父有沢代議士の後添い勝子の妹朝子が立っていた。二人は朝子の親友久子の経営する喫茶店に寄ったが、久子から愛人同士と誤解された。ある日、淳平はダム工事に絡む不正摘発に乗出した弁護士の兄謙助から、現場の紀ノ川に行ってくれと頼まれたが、その淳平の帰宅をアパー...
第二部二十面相の悪魔--小林君らの努力で、明智は顔に火傷を負いつつも焼け落ちる西洋館から救出される。だが設計図は既に複写されているらしく、折柄、復讐を誓う怪人の通信。電波監理局の調べでは、奥多摩方面に本部があるらしい。その日、図面の残り半分を持ち大阪原子研究所から小泉所長が上京。警戒は厳重だがその隙に、子息の小泉君が誘拐されてしまう。やがて、深夜に設計図と少年の身柄を交換するとの二十面相の手紙が小泉邸へ。折悪く明智も不在。学校では小林君らが相談の上、小泉家を訪れることにしたが、彼等がやって来た時は明智に化けた怪人が両親を騙して設計図を持ち出すところ。小林君らの追跡を振り切って逃げ去るが、車体ナンバーを手掛りに捜査が進められ、舞台は××遊園地に移る。小泉君は無事発見。怪人ら海外逃亡の恐れに捜査網が全国に張られても手掛りはない。だが小林君らはふとした事...
第一部妖怪博士--警戒厳重な日本原子力第一工場に、ある夜、怪盗が侵入。新聞は国際スパイ団首領、怪人二十面相の仕業と報じる。幸い、狙われた原子炉設計図は名探偵明智小五郎の機転で相川技師長の家に隠されていた。明智は中村捜査課長に今後の警戒を注意。明智の事務所に集った小林、相川、篠崎、斎藤、大野、上村君ら少年探偵団は、相川君のお父さんのためにも逮捕を誓い、捜査に散る。とある屋敷町で異様な風態の老乞食を尾行した相川君は古びた西洋館で縛られた少女を発見するが、それは蝋人形。驚く中、紳士に変装した二十面相に掴まり地下牢に幽閉され、妖婆の魔術で魂を抜かれてしまう。明智や助手マリ子、少年達が不審がる矢先、相川君は無事帰宅するが、妖婆の指金で設計図を奪い去った。時を移さず非常警戒、対策を練る明智らの前にロンドン警察客員探偵殿村と名乗る男が現われ、三日間で事件解決を宣...
大学の生物学助教授、広瀬武夫は、一家を背負って、三十二歳の今日まで、結婚せずにいた。だが、最近、弟の平八郎が同級生の弘子と学生結婚したのにも刺戟されて、相手を探す気になった。父の元海軍武官三吉にも、昔の部下が、やもめを見兼ねて、お嫁さんを世話するという。武夫は亡母の十三回忌までに結婚してみせると父に宣言した。武夫と復従姉のデザイナー米子は、昔、武夫と結婚するはずだったが、戦死と知らされ、船乗の伝七と結婚したのだ。今は、性格が合わず、別居しており、離婚の手続きをしていた。彼女の紹介で、武夫は花嫁学校へバイトに行き、散々な目に会う。米子の妹英子は雑誌社の女流カメラマンをしている。武夫に同情し、万年筆屋の娘や、競馬狂の娘など、次々に見合いをさせるが、全部失敗だった。九回目もだめで「試合」は延長戦に入る。武夫がこっそり男女交際機関へ入会した夜、英子はその桃色...
家康の没後十数年、いまや徳川幕府は外様大名の取り潰しと切支丹弾圧に必死だった。外様大名の雄、筑前の黒田長政は五十二万石の安泰を図るため、剛毅な嫡子忠之の廃嫡を決意するが、若侍たちの訴願と城代家老栗山大膳の忠誠に動かされ、大膳に後事を託して永眠した。家督をついだ忠之は鷹狩りの一日、猟師弥次兵衛の娘お秀を見染めて側室に迎え、弥次兵衛を士分として抱えた。また、忠之は軽輩から取り立てた寵臣倉橋十太夫の進言で二百人の足軽隊を組織し、鉄砲、大砲を調練させ、事態を憂慮する大膳の諌言に耳をかさなかった。大膳の長崎勤番の留守中、忠之は切支丹信徒のお秀の方の懇望で、禁制の軍船建造に着手したが、賦金の倍額取り立て、作業員の使役、強制寄附など、漸く領民に怨嗟の声が昂まった。幕府は大目付竹中妥女正を実情調査に差し向けたが、これを知った大膳は途中で足止めさせ、腹心に命じて軍船を...
三つ首塔
Three-Headed Tower
1956(昭和31年)/4/25公開 82分 モノクロ スタンダード 映倫番号:2260
配給:東映 製作:東映
片岡千恵蔵主演の金田一耕助シリーズ。兵庫の山奥に怪奇な伝承を秘めて佇む三つ首塔と、十億円の遺産相続をめぐる連続殺人事件との奇怪な交錯の中で、金田一探偵と助手の白木静子が恐怖の謎を解き明かす。
原作:横溝正史
監督:小林恒夫 / 小沢茂弘
脚本:比佐芳武
音楽:仁木他喜雄
撮影:西川庄衛 / 星島一郎
照明:元持秀雄
美術:森幹男
録音:加瀬寿士
編集:祖田富美夫
ストーリー
数十年前、神戸の山里で殺人事件が起きた。犯人の佐竹玄蔵はアメリカに逃亡し、そこで巨富の財を築いたが、殺人の罪は親友の高頭省三に被せられ、省三は処刑された。日本に戻ってきた玄蔵は省三の霊を慰めるために三つ首塔を建立し、アメ...