川奈龍三が一代で築き上げた巨大自動車メーカーカワナ自工は、一層の成長を目指してアメリカオハイオ州に自社工場を建設しようとしていた。しかし、アメリカでは怒とうの進出を続ける日本車排撃の嵐、米自動車労組の反対に加えて、イタリアのレースでカワナのマシンが事故を起こしてドライバーが死亡するなど、様々な困難に見舞われる。
大手自動車メーカーカワナ自動車工業はアメリカオハイオへの工場進出をめざしますが、アメリカ自動車労連の反対運動などにより、部品を日本から運ぶノックダウン方式から現地共同生産方式に変更を迫られます。これを契機に社長川奈龍三(三船敏郎)、冬木専務(丹波哲郎)、野村専務(二谷英明)らの意思がぶつかりあい、その攻防は、冬木とは長いつき合いの山岡悠吉(鶴田浩二)が経営する部品メーカー山岡製作所を巻き込んでゆきます。さらに、カワナニューヨーク...
ある一人の銀行マンが、定年退職した翌日に蒸発した。ドラマは、会社人間だった男が、「会社」という居場所を離れるところからはじまる。男はなぜ姿を消したのか…、男の足取りを追ううち、会社一筋で生きながら、ゴーギャンの絵を愛した男の<自画像>が浮かび上がってくる。そして、ドラマは意外な展開をみせる。
昭和6年。マレーシアのジャングルで日本人青年谷豊は、アラーの神に祈りを捧げていた。厳格な父から日本男子として教育を受け、母国で徴兵検査を受けたが不合格。豊は屈辱と傷心のままマレーへ戻ったが、家に帰れずにジャングルで暮らした。その頃町では日本軍の中国侵略に対して華僑の激しい排日運動が起こり、敵対するイギリス軍による在留邦人への襲撃も始まっていた。そんな時豊の義妹千鶴子が華僑に虐殺された。しかし、島を統治しているイギリスの官憲は犯人逮捕にやる気がなく、豊は怒って復讐を誓った。“マレーの虎ハリマオ”と名乗った豊は義賊となり、富豪の華僑やイギリスの官憲の金品を奪って貧しい人々に与えていた。ハリマオの名はマレー全土に広まり、彼を慕って部下になる者も多く、いつの間にか仲間は千人を越えていた。しかし、時が経つにつれて、ハリマオの復讐心も義賊心も薄れていった。...
長女 綱子は夫に先立たれ生花の師匠として生計を立てている。次女 巻子は中学生の一男一女をもつ平凡なサラリーマン家庭の主婦。三女 滝子は図書館の司書勤めで男っ気がまったくなし。四女 咲子は親兄弟にも内緒で無名ボクサーと同棲している。そんなある日、滝子が興信所に調べさせ、四姉妹の父親に愛人とその子供がいることが判明。四人は集まって母親を気遣いながら対処について話し合う。しかし、自分たちも「秘め事」や「隠し事」を持っていて、周囲のさまざまな人を巻き込みながら疑心暗鬼が頭をもたげる。ねたみ、そねみ、嫉妬、そして「男と女」。家族でちゃぶ台を囲みながら、庭先で白菜を漬けながら、日常のひとコマの中にちらっと覗く内なる「阿修羅」。それでいてホームコメディのように人間模様を描いた作品。