突然起こる相続と、殺人事件の謎。欲と嫉妬に狂う人間を描く。「横溝正史の原作をもとに舞台を現代に置き換え、小学生の弟と二人暮らしの平凡なOL水川美矢子(酒井和歌子)が、東京郊外の大富豪富岡佐兵衛の遺産相続に絡んだ連続殺人事件に巻き込まれる。おなじみの探偵金田一耕助は登場しない
石川民子は、息子の利夫と二人暮し、音楽家カワノナガル氏の写譜をして生計をたてていた。冬、母子が高原の山荘に来た時、民子は初めて息子のガールフレンド八重を紹介された。民子が仕事で上京した日、八重は利夫をスキーに誘った。だが、利夫は腹痛を訴え、医者を呼ぼうとする八重をとどめ、母の帰宅を待った。やがて、戻った民子が息子の下腹部に手をさしこみ、ゆっくりさすりはじめた。すると、利夫の顔から、みるみる苦痛と緊張がとけていった。夏が来て、利夫は家に近い海辺で八重とめぐりあった。そして八重が訪れた日、彼女の胸を見て、若き頃の母、その乳房を吸っていた自分を思い浮かべるのだった。だが、民子は二人の関係が密接になるにつれて神経をとがらせ、一方、八重も民子に敵意を感ずるようになっていった。そして、砂浜へ出た八重は、「わたしのオッパイを飲む、ママさんのを飲んだように」と胸を...