沖三吉は、北海道で生れ父のひく汚ない馬車の中で育った。沖三吉の夢は、一千万円もするという毛並のよい馬をもつことだった。三吉は、人生の目的をとにかく一千万円を造ることに置いた。大滝組の幹部岩佐の誘いで、親分宗三郎の病気中、大滝組に入ったのも、あわよくば、大滝組を手中に納めることができるからだった。三吉のやり方は、やくざの仁義や斬り合いではなく、頭脳的に物事を処理してゆくことだ。三吉が最初にぶつかったのは、五味という赤紙聞の社長で、彼は、市長と組で中学校建築の汚職をやっていた。この事実を握った三吉は五味の弱味につけこんで、丁度榊組と大滝組の間で争っていた砂利採掘の権利をわがものにした。だが砂利だけでは一千万円には程遠い。こまかいかせぎもやらなければならない。インチキ賭博、予想屋など。おもしろいのは示談屋だ。高級車をみつけては、高価なものをぶつけて弁償金を...
しのびよる甘い恐怖!
ベッドに美しい肢体を埋めて企む殺意!
身もだえる女の激情が生んだ強烈な愛欲スリラー!
弁護士の中部京介は、休暇をとって九州旅行に出かけたが、東京の喧騒が恋しくなり早々に引き上げてきた。
中部は自分のアパートの部屋に入って驚いた。
下着姿の女がブランデーを飲みながら彼を待っていたのだ。そしてあやしげなカメラマンも情事の写真を撮りにやってきた。
友人芥川のいたずらだと思った中部はふたりを追い返す。
さらにその後、「俺の女を返せ」とチンピラもやってくるが、これも追い返す。「やれやれ」と中部はベッドにもぐり込むが、その後、またもや災難に見舞われることになる……。
監督脚本:井上梅次 原作:ハロルドQマスル
出演:若尾文子 田宮二郎 川崎敬三 江波杏子
1963年/日本/本編94分/カラー/片面1層/日本語Dolby Digital...
「弘電社」の新米企画部員、加納周治は大事なスポンサー日の丸電機の番組を商売仇の「有報堂」にとられっぱなしの現状を打開する命令をうけた。先輩のディレクター小坂に相談したが、あきらめた方がよいと言われ、その夜のみに行ったナイトクラブで、いばりくさって弘電社の悪口をいう日の丸電機の宣伝課長後藤を殴り倒してしまった。偶然電車の中で知り合った喫茶ガール中根由美子は、日を追って周治に好意を抱くが、その由美子に後藤が熱心なのを利用し、由美子の従兄として、後藤の前にもう一度現われるが、由美子を強引に旅館にひっぱりこもうとした後藤を、周治はもう一度殴り倒してしまった。周治の父源次郎は、一見重役タイプだが、大阪で事業に失敗。東京へ出て古い仲間の久太郎、君江夫婦の家に転がりこみ、一緒にチンドン屋をやっているが、久太郎、君江の子供由美子が息子周治の恋人と知って仰天した。周治...
新橋の烏森にあるテーラー直江は親爺の鶴吉が頑固で昔気質なためにちっともはやらない。生地屋から借金の取り立てがうるさく、不動産屋かバーか飲み屋にしようと狙っている。見かねた娘のまり子は店を改造しておにぎり屋を始めた。この美人でチャキチャキのまり子をめぐって三人の男性がいる。一人は白井五郎、まり子とは幼馴染で新宿の劇場で演出をしている青年だが、まり子はどうやらこの五郎に気がありそう。しかし五郎はまり子に対しては兄妹愛しか持っていそうもない。あまり親しすぎて、好きだの惚れたのという感情はもてないのだ。村田幸吉は、以前鶴吉に馘にされた弟子だが、今は職人を二十人も使って既製品メーカーとしてうけに入っている。まり子が大好きで、おにぎり屋の資金をまり子に提供したのもこの幸吉である。最後の一人は、近所に住むあんちゃんで三平、パチンコ、麻雀にうつつを抜かして毎日ブラブ...