1975年10月17日から1976年4月9日までの放送で、料亭「分田上」が舞台
倉本聰原案による、東京の下町(深川)を舞台にした、照れ屋な板前の青年(萩原健一)と周囲の人々との触れ合いを描いた青春ドラマ。
当時まだ駆け出しの女優だった桃井かおりと東映の大部屋俳優だった川谷拓三を一躍有名にしたことで知られる。また、これまでの映画やテレビドラマでアウトローな役柄を演じてきた萩原を主人公の純朴な青年に、ヤクザやプレイボーイ役を演じることの多かった梅宮辰夫を熟練の渋い板前役にキャスティングし、イメージチェンジさせたのもこの作品である。
タイトルは萩原演じる主人公が母親宛に書き綴る手紙の冒頭(冠省)部分であり、劇中のナレーションも萩原がその手紙を読むという形になっている。このナレーションの手法は後の倉本作品『北の国から』にも採用された。
放送日程
回数 放送...
女性スカウトの段原金作は元北支派遣軍森山部隊の生き残りの勝木、八田、永田、朴らと共に、倉本元中尉から、終戦直後森山部隊長と山田兵長がイントクした時価三億円のダイヤを山分けしようと話しかけられた。その晩金作のアパートに永田と朴さんが忍びこんだ。かつて山田がこのアパートに住んでいたからだ。しかし足をふみはずした二人は、女スリスプートニックのおぼんの部屋に落ちてしまった。おぼんに色仕掛ですっかりまるめこまれた金作は、結婚資金にと、いよいよ、ダイヤモンド捜しは盛んとなった。まず部隊長を捜さなければならない。しかし、行方は仲々つかめなかった。そこで倉本はダイヤモンドを探す元手にダイヤモンドとひきかえに株をもつ話をした。勿論倉本の虚構である。輸出詐疑の常習犯である倉本が人のいい金作らを詐したのだ、やがて嘘がばれた。金作が森山部隊長をみつけたのだ。今はラーメンの屋...
米軍演習地で弾丸拾いをしていた大和ハル子は、東京で大学に通う兄の清輝をたずねて上京した。途中の貨車の中で家出娘のナツ子と知り合い、これから先の協力を誓い合った。上野に着いた二人は、三流週刊誌記者の相模慎太郎と知り合い、素性は判らぬまま信用して頼ることにした。兄貴の下宿にたどり着くと、三ヵ月も下宿代をためたまま行先不明。大学では彼は全学連の委員だからソ連に亡命したかもしれない、と言う。革新政党本部に行ったが、勿論らちはあかない。下宿のお内儀に泣きついて、ねぐらだけは確保した。翌日二人が東京見物をしていると、同じ村出身の兄貴の友人伊藤隆に逢った。景気がよいといばる隆に、ハル子が仕事を分けてくれと頼んでいると、隆の乾分の森家三平が「仕事だ!」といって飛んで来た。隆と三平のオートバイに二人が乗り込むと、後に続くオート三輪には体の情婦ユキや乾分の隆盛会の面々が...