第二部二十面相の悪魔--小林君らの努力で、明智は顔に火傷を負いつつも焼け落ちる西洋館から救出される。だが設計図は既に複写されているらしく、折柄、復讐を誓う怪人の通信。電波監理局の調べでは、奥多摩方面に本部があるらしい。その日、図面の残り半分を持ち大阪原子研究所から小泉所長が上京。警戒は厳重だがその隙に、子息の小泉君が誘拐されてしまう。やがて、深夜に設計図と少年の身柄を交換するとの二十面相の手紙が小泉邸へ。折悪く明智も不在。学校では小林君らが相談の上、小泉家を訪れることにしたが、彼等がやって来た時は明智に化けた怪人が両親を騙して設計図を持ち出すところ。小林君らの追跡を振り切って逃げ去るが、車体ナンバーを手掛りに捜査が進められ、舞台は××遊園地に移る。小泉君は無事発見。怪人ら海外逃亡の恐れに捜査網が全国に張られても手掛りはない。だが小林君らはふとした事...
かつて不倫を犯した故をもって離縁された平経盛の妻椿の前は、経盛との間に出来た娘の玉織姫をつれて尾張の国から都に出て来た。都で椿は昔馴染の平時忠に会い、己の栄達をはかる時忠の思惑に同意した彼女はいやがる娘の玉織を関白近衛基通の寝殿に送った。だが玉織は逃げ出し、供侍に追われるうちに、経盛の子で、丁度、宿直の役にあった平敦盛に救われた。やがて椿母娘は経盛の屋敷に住むことになった。玉織は思慕する敦盛が異母兄だと知り運命の皮肉を嘆いた。野望を捨てぬ時忠は玉織を敦盛の側から引き離すために、かねて敦盛を恋する右大弁重虎の姫桂姫を上皇の命だといって敦盛と結婚させようとした。婚礼の夜、父の経盛から自分の本当の父親は後鳥羽法皇だときかされた敦盛は固めの盃を投げると玉織の後を追った。時も時、都に迫る木曽義仲の軍を逃れようとして関白は時忠や玉織姫をつれて叡山へ向った。それを...