主演の中村敦夫の足の怪我で休止していたヒットドラマの再スタート版。阿藤海(阿藤快)のテレビデビュー作。各回のサブタイトルは以下のとおり。第1回「馬子唄に命を託した」、第2回「暁の追分に立つ」、第3回「水車は夕映えに軋んだ」、第4回「地獄を嗤う日光路」、第5回「夜泣石は霧に濡れた(誤り…夜泣き石は霧に濡れた)」、第6回「女郎蜘蛛が泥に這う」、第7回「海鳴りに運命を聞いた」、第8回「獣道に涙を棄てた」、第9回「錦絵は十五夜に泣いた」、第10回「飛んで火に入る相州路」、第11回「駈入寺に道は果てた」、第12回「九頭竜に折鶴は散った(「九頭竜」にルビ「くずりゆう」が付く)」、第13回「怨念坂を螢が越えた」、第14回「明鴉に死地を射た」、第15回「木っ端が燃えた上州路」、第16回「和田峠に地獄火を見た」、第17回「雪に花散る奥州路」、第19回「冥土の花嫁を討て...
秘書から名家の後妻となったヒロイン睦子(若尾文子)。複雑な家庭の中で苦悩する睦子があらゆる困難を乗り越え、自らの手で先妻の影をぬぐい去り、本当の妻、母の座を得るまでを描き、人間のエゴイズムについて問いかける。ベテラン秘書睦子は、恋人平井(竜崎勝)も友人加津子(吉野佳子)に奪われ、仕事一途の日々を送っていた。そんな矢先、睦子は妻を失った常務高杉晃一郎(二谷英明)の後妻にと望まれた。二人だけで式を挙げた軽井沢教会の庭に睦子は花みずきを見つけ喜んだ。【以上、毎日新聞1978/09/24付より引用】【役名(演技者)】高杉睦子(若尾文子)、高杉晃一郎(二谷英明)、伊沢英介(田村正和)、由加(坂口良子)、和美(中田喜子)、高杉たき(木暮実千代)、平井(竜崎勝)、加津子(吉野佳子)、業界紙記者須山(鹿内孝橋爪功)、高杉紘一(高野浩之)、工藤(渥美国泰)...
小学生のピンちゃんに、新しいお母さんが来た。父親の日雇亀吉が怪我をしたとき、同じ日雇のツネが手伝いにき、そのまま一緒になったのだ。ツネには連れ子があり、姉の鳥子はレストランで働き、サラリーマンの井上と恋仲だ。兄の実は住込の商店員だ。ツネは暮しを助けるためチンドン屋のビラ配りになった。ピンちゃんは仲間からそれを囃し立てられ、恥かしかった。が、ツネが学校や父兄のもとへ抗議に行き、先生が職業に貴賎はない、どんな仕事でも一生懸命やる人が偉いのだと皆にさとしたので、ピンちゃんは堂々と母のことを綴方に書くまでになった。実君が主人の金二万円を落すという事件が起った。ツネはちんどん屋のコンクールに出場し、その賞品で金の返済をと思ったが、ツネがトチって落選してしまった。長屋の連中は、同情して資金カンパを始め、ツネは金を返すことができた。鳥子は転勤する井上と結婚して...
大日本探偵社社員、南条康介は仕事におい廻されて恋人の草野綾子とデイトも出来ない有様を嘆いていた。綾子は康介の下宿先、古い暖簾を誇る浅草の煎餅屋「入河」の看板娘であった。「入河」は綾子の姉秀子の実権下にあり、夫の雄之助は康介にこの家に代々続く婿養子の宿命を説いて慰めた。安月給の康介は秀子に反対されて綾子と結婚出来なかった。お茶漬や「ひさご」では大学教授の土屋信行と大日本探偵社社長赤沢俊哉が飲んでいた。「ひさご」のマダムは昔土屋とロマンスを語った伊丹夏代である。店の奥では新聞記者の辰巳次郎が飲んでいた。テレビプロデューサーの恋人小池さわ子はいくら待っても現われなかった。いつもデイトをすっぽかすのはリハーサルのためだった。康介や次郎と仲間の高見明は登山を生きがいとする山男だった。妻の弓枝は勿論大いに不満であった。高見家の下宿人、城山茂夫は音楽学校の生徒で...
日本の生糸王犬神佐兵衛(岡田英次)が数十億の資産と家宝の“斧琴菊”を残して他界する。佐兵衛には腹違いの三人の娘、松子(京マチ子)竹子(月丘夢路)梅子(小山明子)がおり、それぞれに佐清(田村亮)、佐武(成瀬正)、佐智(松橋登)という息子がいた。さらに犬神家には、佐兵衛の大恩人の孫娘野々宮珠世(四季乃花恵)も住んでいた。犬神家の弁護を担当する法律事務所の助手若林は、噂に高い私立探偵金田一耕助(古谷一行)に、遺産相続をめぐる悲劇を未然に防ぐよう依頼をするが、その若林は何者かに毒殺されてしまう。やがて、戦争に行っていた佐清の復員を機に遺言状が公開されるが、そこには三人姉妹の息子、佐清佐武佐智のいずれかとの結婚を条件に、犬神家の全財産全事業を珠世に譲渡するという驚愕の内容が書かれていた。この遺言状をめぐって一族に疑惑と殺意が渦巻く中、もう...
大学精神科の教授結城(宇津井健)は、新設された犯罪心理学研究所の所長に迎えられることに。ある日帰りの遅い娘明子(山口百恵)を迎えに行くと、そこで由紀子(長山藍子)と出会う。結城と由紀子は、15年前にある約束をしたはずだったが、結城は由紀子にその約束を守れていないと責める。しかし、その約束が原因で由紀子は精神的な抑制から強度のノイローゼにかかっていることから、弟潤(松田優作)は結城に激しい憎しみの炎を燃やしていた。研究所の開設パーティーに結城は妻妙子(小山明子)と出席するが、妙子に電話が入りそのまま姿を消してしまう。その後、妙子が遺体となって発見される。妻の殺人事件を中心に明子は自分の出生の秘密、潤は結城家に起った事件に自らの運命を狂わせていく…。