慶應大学と早稲田大学の映画研究会が中心となって制作した異色の群像ドラマ。秘密基地をつくる10歳の少年、ダクト掃除のバイトをする21歳の青年、いつも落とし穴にいるヒロと野球をすることだけが楽しみな26歳の青年、引きこもりの娘との接し方がわからずコインランドリーで時間をつぶす45歳の中年、駐車違反切符を切り続ける65歳の老人。ずっと同じ毎日を繰りかえしてきた彼らが、地震の噂を聞いたことをきっかけにそれぞれ行動を起こしはじめる。
高校生の朋之は、テキヤの一家で暮らしている。実の息子に思いをはせる父親の芳男を先頭に、家族は行く当ての無い人々が寄り集まって作った疑似家族であり、それぞれが清算しきれない過去を背負っていた。そこに、身寄りの無い千里が家族に加わるが、突然の取り壊しにより家そのものが無くなってしまう。帰る場所を失った家族はそれぞれの行き先を見つけるためトラックで巡業の旅に出る。旅先での出会い、新しい経験を通して、一度は収束するかに見えた家族だったが、今までやり過ごしてきた問題にそれぞれ直面し、脆くも集団は崩壊し離散していく。朋之は手遅れになってしまったものを取り戻すため、走り始める。
眞田康平 Khei Sanada
1984年石川県出身。2007年、金沢大学教育学部卒業。その後(株)ピラミッドフィルムに制作部として一年間勤務。2009年、東京藝大大学院映像研究科入学...
女性ファッション誌「Seventeen」モデル出身の若手女優岡本あずさが、心に闇を抱えた女性を演じたサスペンス。両親の命日になると自殺未遂を繰り返してきたキャバクラ嬢のヤスコが、何者かに首を絞められ意識不明の重体で病院に搬送される。容疑者としてヤスコの恋人だった7人の男が浮かび上がるが、7人の証言は食い違い、隠されていたヤスコの過去が明らかになっていく。「ベロニカは死ぬことにした」の堀江慶監督が旗揚げした劇団「CORCFLASES」で上演された舞台劇を、堀江監督自ら映画化した。