前編で妖術使い不知火甚内にさらわれたあんみつ姫を、弓太郎は自慢の弓を使って救出することに成功。その手柄として姫の父だんごの守に仕えはじめる。 一方、「バイバイ薬」の処方を盗むために自分の娘お銀をスパイとして送り込んだまでは良かったが、姫の無邪気さに救われたお銀は寝返ってしまう。 そんな折、甘辛城に発明好きの親善大使イタチョコ博士が来ることを知った不知火甚内一味は、逃げ出したすみれ姫を道端で拾った博士一行を襲い、まんまと摩り替って城へ侵入。あんみつ姫を誘拐する。 しかし、身代金代わりの「バイバイ薬」処方箋が行方不明。あわやと云う所でお銀や弓太郎達の活躍により姫は救出された。 思うように事態がはかどらないことに業を煮やした黒雲城主 鬼塚刑部が、ついに甘辛城に戦争を仕掛けた。平和な甘辛城は戦い方を知らぬものの、カステラの指揮の下、奇抜な戦法()で...
平和な甘辛城の奥方甘茶の方の悩みの種は、夫あわのだんごの守の発明好きと娘あんみつ姫がお転婆で手に負えないこと。 そんなある日、だんごの守の「不老長寿の薬」発明が失敗して、振りかければなんでも品物が4倍に増える「バイバイ薬」が完成。 早速、腹黒い隣の黒雲城城主鬼塚刑部はスパイを放って薬を奪おうと企て、さらには権力を握ろうとして前城主の遺児弓太郎とその妹すみれ姫の命をも狙う。 刑部が金で雇った幻術師不知火甚内の罠によって兄妹は散り散りとなり、城下へお忍びで出ていたあんみつ姫までもが騒動に巻き込まれてしまう。
昭和十九年春、親友の田鶴子、志津江、みどり、三保らと共に学窓を巣立った水島綾乃は、突然たった一人の母に死なれた。田鶴子の従兄秋彦の友人健太郎は悲嘆にくれている綾乃をデパートに世話し、何くれとなく面倒をみるが、健太郎を愛している田鶴子にはたまらなかった。祭の夜、健太郎と綾乃が誓い合っているのを盗見た不良の秋彦は、二人の様子を話して田鶴子を失意に陥らせ、酒と睡眠剤の力で彼女を犯した。戦局は悪化し、健太郎にも召集令が下った。彼は綾乃を母の手に托して戦線に向うが、直後、彼の家は空襲で灰燼に帰した。戦が終り、我が家の焼跡に帰った健太郎はその日から綾乃の行方を求めてさまよった。その頃、綾乃は信州の叔母のもとに居た。彼女は戦後秋彦の情婦となった志津江の店で働いていたが、執拗に迫る秋彦の毒牙を逃れて信州に走ったのだ。健太郎はみどりや田鶴子に再会して綾乃の居所を知り、...