昭和4年、浅草にデパート進出を計る資本家と伝統的な露店業を生活の糧とするテキ屋との間には一触即発の不穏な空気が流れていた。浅草界隈きってのテキ屋の名門菊屋一家の四代目貴島政吉には竜太郎と勝男の二人の息子があった。叔父から不義の子と聞かされた竜太郎は、叔父を殺して勘当同然に飛び出し、菊屋一家を目の仇と狙うテキ屋滝岡とグルになった上州馬賊の小松といざこざを起こして留置所に。身柄を引き受けに来た菊屋一家の水野から、勝男が政吉と口論して家を飛び出した事を知らされた竜太郎は、勝男に誰にも話した事のない自分の出生の秘密を打ち明け説得するのだった。度重なるテキ屋同士の内紛をよそに、杉屋デパートの大島社長は任侠肌の博徒国分辰之助の協力を得て建設計画を着々と進めていた。助成金をちらつかせる資本の圧力と度重なる馬賊の嫌がらせに店を畳む者が現れる。竜太郎は大島社長...
菅原文太が演じるゴロ政と川地民夫が演じる不死身の勝の「まむしの兄弟」がコンビを組んで暴れまくるアクションコメディシリーズ第6作。ゴロ政は勝をはねた神洋交易の社長令嬢をゆすろうとゴルフ場で脅迫する。丁度、社長の李はボールにつめた麻薬を安武組の安武と取引中であった。李は慰謝料として小切手をゴロ政たちに渡すが、勝が中身を知らずボールを持ち帰ったため、用心棒の広津に襲われる。松方弘樹が腹に一物ある用心棒広津を熱演。
谷口ジロー、参謀、オケラは、京都駅で白タクを働く愚連隊だ。ある日ジローは、愚連隊の大先輩で務所帰りの杉山に出会った。杉山は十五年の刑を終え、仲間の本村の所へ戻って来たが、かって杉山の情婦であった由美が今は本村の妻となり幸福に暮しているのを知ると、ジローらと共に白タク稼業の仲間入りをした。そんな杉山に仲間の一人ケンは、強くひかれた。終戦の落し子ケンにとって、杉山は父のように思えたのだ。一方、ジロー、参謀、オケラは、倒産寸前の西川織物の社長と組み、債権者をごまかそうと企んだが、地まわりのヤクザ王城会の黒川、玉井らにより煮湯をのまされた。せっかくの儲けをとられたジローらは、女にかけては強い大隅を使い売春組織を作って、かせごうとした。そんなジローらに杉山は反撥し、彼らとの間にギャップを深めていった。次第に杉山は、彼らの中でやっかいものとなった。そんな杉山に務...
『巨人の星』『あしたのジョー』『タイガーマスク』などの原作者梶原一騎の生涯を、同じく作家の弟真樹日佐夫の眼を通して語ったドラマ。真樹の原作『兄貴』と『すてごろ懺悔』を基に真樹自身が監修、脚本も手掛けた。監督は「富江replay」「おぎゃあ。」の光石冨士朗。本作は梶原一騎17回忌追悼記念作品として製作された。
昭和20年代、朝雄、真士、日佐志の高森3兄弟は、毎日のように喧嘩に明け暮れていた。そんな彼らも父龍夫が出版社の編集者だったこともあり、物書きの世界へ傾倒していく。昭和30年代、朝雄はその文才で頭角を現わし、ペンネーム梶原一騎として作品を発表し始める。真士も真樹日佐夫のペンネームで執筆活動に精を出していた。昭和40年代、弟真樹が極真会館大山倍達に師事して空手を学び始め、ルポライター業にも進出する一方で、兄梶原は少年マガジンで漫画の原作を...
高峰譲吉…。1854年、加賀藩の御典医であった家柄に生まれ、消化酵素タカヂアスターゼの発見、
止血剤で有名なアドレナリンの結晶化などノーベル賞級の偉業を果たした。
研究を産業と結びつけて富を生む事を実証して見せ、20世紀初頭の世界をリード。
日米親善にも心血を注いだ人物である。
本作は2010年8月、博士の生まれ故郷である金沢でクランクイン。
そして、日本国内のみならずハリウッドでの撮影を敢行!日米を舞台に壮大な物語が完成した。
三代将軍家光が逝去し、その期を狙った由井正雪の謀叛が老中松平伊豆守のために失敗に終った動乱のころ。紀伊五十五万五千石頼宣は、秘かに鉄砲火薬を集め、甲賀忍者に守らせ、虎視耽々と将軍家を狙っていた。だが、これを察した伊豆守も、甲賀者を迎えた紀州家の謀略の狙いを、諸大名が江戸に集まる御代替りの大評定の日と考え、それまでの十日間に紀州の火薬鉄砲を破壊するように伊賀半蔵に命じた。しかし、この伊賀と甲賀の大血戦を前にしても伊賀忍者弓削新三郎は、ふと知りあった甲賀の頭目甚左衛門の娘結香が忘れられず、結香もまた新三郎に恋こがれていた。しかし、忍者の世界で他組との縁組が許されるはずはなかった。そんなうちにも、すでに伊賀と甲賀の和歌山城をめぐる血で並をあらう忍者合戦は始められていた。そしてある日半蔵は、暗闇にまぎれて大手堀を押渡るすて身の攻撃を敢行した。だが、これは甚左...
昭和6年、志村兼次郎は横須賀海兵団に入団した。海兵団での日課は厳しく、猛訓練についていけない新兵に対する古参兵のしごきが情容赦なく行われた。頑健な兼次郎や要領のいい谷口銀造はなんとかそのしごきから逃れていたが、運動神経の鈍い西山三吉は、いつも激しい制裁を加えられた。ある日、兼次郎は、西山を不憫に思い、自から制裁を買って出るが、逆に生意気だと、黒川ら古参兵の怒りを買うことになった。そんなある日、皇后陛下の兄に当る久迩宮融王という若い海軍中尉が、陛下からの賜りものの懐中時計を便所に落して困っているのを、偶然通りがかった兼次郎が拾い上げてやった。大変感謝した久迩宮は、兼次郎を宮邸に招待する程の気に入りようだった。だが、兼次郎のこの行為は士官の機嫌を損ねることになり兼次郎は集中的に制裁を加えられた。だが、西山が下士官が通っている女郎に手紙を出したことから激し...