九州にやって来た橘真一は、地元の暴力団が少年たちをそそのかしているのを知り、彼らを悪の道から救うために立ち上がる。網走出身で、世間の裏街道を歩く流れ者橘は鬼寅の招きで九州へやってきた。鬼寅は不良少年保護施設で働いており、橘は助手として彼を手伝うことになった。少年たちと友情を深めていく橘だったが、地元の暴力団門馬組は少年をそそのかし、悪事をさせようとしていた。橘は博多山笠祭りの真ツ只中で、門馬組を叩き潰す!少年たちの行く末を願い、橘と鬼寅がカラダを張って大芝居を打つ…。
1915年10月17日、タイちゃんこと殿山泰司は、銀座の“おでんお多幸”の長男として生まれ、36年、俳優となった。36歳の時、タイちゃんは京都の喫茶店“フランソワ”のウェイトレス、キミエと出会い相思相愛の仲になる。ところが、彼には既に鎌倉に内縁の妻アサ子がいたのだ。タイちゃんは、女優のオカジこと乙羽信子を介してアサ子に別れ話を持ち出すが、逆にアサ子はタイちゃんに黙って婚姻届を出し、養女まで迎えてしまう。しかし、東京でタイちゃんと同棲を始めたキミエも負けてはいない。対抗心をむき出しにして、兄の息子安夫を養子に取ったのだ。こうして、たちまち二児の父親になってしまったタイちゃんであったが、仕事では「愛妻物語」「裸の島」といった素晴らしい作品に恵まれ、しかも「人間」では数々の賞に輝いた。その後、肝硬変、母の死、子供たちの結婚、浮気事件、様々な出来事を経て...