奈良の大財閥、大道寺欣造(原田芳雄)の元に一通の脅迫状が届いた。その文面は娘の智子(墨田ユキ)が、慕い寄る男たちを不幸にする「女王蜂」だと決めつけ中傷する悪質なもの。まるで智子の見合いを妨害する意図が感じられる。大道寺家の金庫番神尾秀子(沢田亜矢子)は、探偵の金田一耕助(古谷一行)にこの事件の調査を依頼した。しばらくして、智子の見合いが始まる。花婿候補3人のうち三宅嘉文(清水冠助)と駒井泰次郎(藤原考一)がまずその席に呼ばれたが、欣造の意にそわない。それもそのはず、欣造は後妻の連れ子である智子を、少女のころに犯した過去があったのだ。やがて、三宅と駒井の2人が次々に殺害される。奈良県警の亀山警部(名古屋章)は、もう一人の花婿候補遊佐三郎(嵯峨周平)が大道寺家の莫大な資産を独り占めするために殺害したのではないかと調べ始めた。しかし、その遊佐も何者かに...
外科医として働く零子(財前直見)の病院で、入院中の患者陽介(江畑浩規)が殺された。死因は点滴に入れられた筋弛緩剤による心停止。陽介は病院内で零子や患者たちに暴言暴力のかぎりをつくし、手がつけられない状態だった。院内には陽介を殺す動機を持った人間が数人にのぼり、零子の夫で刑事の千太郎(石黒賢)の捜査は困難を極めた。病院のボランティアとして活動していた大友(益岡徹)も陽介から暴行を受け、殺意を抱くには十分な条件がそろっていた。
そんな時、生前陽介が覚醒剤を常用していたという事実がわかった。二年前覚醒剤を打った陽介は車を運転し、人をひき殺した。その被害者は大友の妻と娘だった。千太郎は大友を陽介殺しの容疑者として確信したが、零子には温厚で実直な大友が殺人犯だとは信じられなかった。
しばらくして、大友が何者かによって襲われた。無理矢理青酸カリを飲まされた大友...