岡本喜八監督によるハチャメチャミュージカル喜劇の傑作。なんといってもこの作品の見所は狂言舞台の如き監獄の中での伊藤雄之助と砂塚秀夫の立ち回りに始まる種々雑多、ありとあらゆる音楽を使いまくる佐藤勝のサントラに尽きるであろう。ストーリーは獄中のヤクザの親分(伊藤雄之助)と爆弾の犯人(砂塚秀夫)が出所するところから始まる。出所したもののどうも勝手が違う、組に帰ればすっかり企業化しており違う社長までいる始末、自分の居場所も無く、やけくそになった伊藤雄之助と砂塚秀夫が「ボールペン爆弾」で社長を木っ端微塵に企てるという支離滅裂な話である。しかも全編ミュージカル調のノリで進められ見ているものはどこまで本気なのかよくわからないという問題作である。
------------------------------------
昔気質のヤクザ組長大名大作(伊藤雄之助)が3...
昭和29年の「ゴジラ」でスタートした東宝の怪獣映画シリーズは、「モスラ」や「妖星ゴラス」などの傑作を生み出し、また「大怪獣ガメラ」や「大巨獣ガッパ」など他社の怪獣ものにも影響を与え、海外にも多くのゴジラフリークを生み出した。しかしそのマンネリ化は防ぎようもなく、昭和40年代に入ったあたりから初期の頃のヒューマンな味わいが薄れ、怪獣同士の戦いがメインの子供向け作品に移行していく。この作品はそれまでの東宝怪獣キャラクターが勢ぞろいして怪獣島に管理され、平和な生活を送っているという状況で物語が始まる。そこに宇宙から凶悪怪獣キングギドラが飛来し、地球怪獣との死闘が……。