行列が鉢合ってしまった尾州紀州の両若殿、徳川宗長と徳川義忠。そこへ江戸の町人弥次郎兵衛と喜多八の馬が飛び込んだ。身軽な町人の身分にすっかり魅せられた若殿は、それぞれの替え玉に弥次喜多を据え付けて自分たちが弥次喜多を名乗って保土ヶ谷の本陣を抜け出した。自由な旅に有頂天の二人。さて道中知り合った鉄砲の名人垣内権兵衛が腕前を見せようと巡礼娘お小夜の旅杖を狙ったところ、その夜、お小夜が若殿たちへの面当てのように自ら命を絶ったのだ。この死んだはずの娘が昼夜の区別なく現れて2人に息もつかせない。小田原では女中に言い寄られ、箱根では山賊を懲らしめ、三宿では二人を探す家臣から逃げて女歌舞伎の一座に紛れ込み。と幽霊騒ぎだけでなくさまざまな出来事にあいながら東海道を進む。そして由比でお小夜に再会。足がある!怨霊だと思ったのは単なる勘違いで小田原で自殺したのはお...
夜明け前、東北本線上り貨物列車の郵便車が列車強盗に襲われ、乗務員二名即死、一名重傷という事件が突発した。警視庁捜査一課が現地検証の結果、一人以上の共犯者があること、兇行に使用した拳銃は三二口径ゲルニカ、犯人は兇行後赤行のうを奪い列車外に逃れ、そこに待ち伏せていた共犯者と逃走したことなどの三点が浮び上った。生き残った乗務員を調べた宮川刑事は外部の人間による犯行と断定、一方、長田刑事らは北浦和近くでゲルニカ拳銃の薬莢と、共犯者が使用したと推定される車の轍を発見した。さらに轍を辿って地取りを続けるうち、一行は一通の封書を発見したが、宛名の木村雄三を江東区の自宅に尋ねた両刑事は、木村が数日前から行方不明で、勤務先のキャバレー「八番街」も二日前から辞めていることを知った。そのとき宮川刑事は「八番街」の前に駐車していた高級車が犯人使用の車と同型であることを認めた...
三つ首塔
Three-Headed Tower
1956(昭和31年)/4/25公開 82分 モノクロ スタンダード 映倫番号:2260
配給:東映 製作:東映
片岡千恵蔵主演の金田一耕助シリーズ。兵庫の山奥に怪奇な伝承を秘めて佇む三つ首塔と、十億円の遺産相続をめぐる連続殺人事件との奇怪な交錯の中で、金田一探偵と助手の白木静子が恐怖の謎を解き明かす。
原作:横溝正史
監督:小林恒夫 / 小沢茂弘
脚本:比佐芳武
音楽:仁木他喜雄
撮影:西川庄衛 / 星島一郎
照明:元持秀雄
美術:森幹男
録音:加瀬寿士
編集:祖田富美夫
ストーリー
数十年前、神戸の山里で殺人事件が起きた。犯人の佐竹玄蔵はアメリカに逃亡し、そこで巨富の財を築いたが、殺人の罪は親友の高頭省三に被せられ、省三は処刑された。日本に戻ってきた玄蔵は省三の霊を慰めるために三つ首塔を建立し、アメ...