赤城山をまじかにのぞむ勝々山呑福寺は、伝説の呑福茶釜がある寺として連日観光客が絶えない。 お蔭で住職の日孫和尚(伴淳三郎)は、日々笑いが絶えない。 そんな住職を快く思わぬ古道具屋の森田徳之助(森繁久彌)と写真家の三室勘次(フランキー堺)は、一泡吹かせるべく呑福寺の裏山で捕まえた狸を住職に食べさせようと悪巧みをする。 まんまと肉を食べた住職は、守り本尊のお狸様のバチが当たってか、八畳敷の奇病にとりつかれる。だが、実はこの肉、中身は犬で、本物は知らぬ間に檻から逃げていたのだ。 そんな折、徳之助の元にある売れ残った掛け軸から、狸男(三木のり平)が現れ、同族を助けてくれたお礼にと、徳之助に「あの呑福茶釜は偽物で、本物は『お萩屋敷』にある」と告げたことから大騒動が起きる
分福茶釜ならぬ呑福茶釜を巡り、和尚、ペテン師、大泥棒、美女、芸妓まで加わっての大騒動...
--明治の中期。九州筑豊炭田で掘った石炭はすべて遠賀川の川舟で運ばれていた。岡蒸気が出現し、これに取って代わろうとしたが、川舟船頭たちは鉄道敷設に命がけで抵抗した。唐戸橋の架設が争いの焦点である。名のある親分たちの失敗ののち、小組ながら男勝りの女傑島村ギンの皆木組に仕事が廻ってきた。ギンは妻子ある地主皆木与一郎と家出し、若松で皆木組を創設した、度胸と気っぷで知られた女である。汽車課長の川上は根本的に川船頭との間を解決するため船頭の元締鐘馗の寅松との掛け合いを頼み、成功すれば永久に鉄道院出入を許すと約した。ギンはダイナマイトを抱えて決死の覚悟で乗りこみ、ついに説得に成功する。帰途、川船頭市造に命を狙われたが、若い船頭吉田に救われた。交渉はなったが、工事場にコレラが発生し、工事は堂島組に譲った。市造らは鉄道線爆破を企てたが、ギンはまたも吉田に助けられて鉄...
『喜劇 駅前団地』(きげき えきまえだんち)は、1961年8月13日に東宝系で公開された日本映画。カラー。東宝スコープ。東京映画作品。88分。
キャッチコピーは「団地を巡る一大革命! 色気も欲もマンモス文化」。前作『駅前旅館』から3年のブランクを経て再開された、『駅前』シリーズの第2作。本作から正式に『喜劇』のタイトルが入り、内容も脚本家によるオリジナルとなる。
本作は小田急小田原線の百合ヶ丘駅と、その隣の西生田駅(現:読売ランド前駅)を舞台にし、駅周辺に広がる百合ヶ丘第一団地で起きる土地問題を取り上げた。
助演には、後年日活で活躍する山内賢が「久保賢」名義で出演、他には元祖巨漢俳優千葉信男や、二木てるみの実弟二木まこと、そして当時売り出し中の歌手坂本九が洗濯屋役で出演している。余談だが坂本は、後に同じ久松監督のクレージー映画『クレージー作戦 ...
浜松市の駅前に「互笑亭」という老舗を誇る駅弁屋がある。未亡人の景子が主で、弟の次郎と二人で店をやっている。ところが次郎は商売を姉に任せっきり。近所の九坊や、ハーモニカ娘の千代、女工トモコなどを集めて、コーラスのリーダー格。と思えば競輪に夢中になったりバー「クララ」の女給あけみに入れあげたりしている。景子の亭主が死んで三回忌の法事の日。故人とは幼友達で、「互笑亭」の相談役として彼女を張っている、織物会社の社長柳田金太郎と、ストリップ劇場を経営、タクシー会社など手広く事業をやっている堀本孫作が、景子より相談をうけた。大阪の大資本家倉持大作という男が、景子の店の拡張に金を出資しても良いと言ってきているので会ってほしいと言うのである。さて、大資本家大作の接待の日がやっで来た。二人がひいきにしている土地の芸者染太郎に、孫作の小屋からはストリッパーのペリー春など...
新橋雷燕飯店のコック徳と横浜でラーメン屋をやっている孫は大の仲よし。徳はけい子という日本人の女房に、もう一軒店をもたせている。孫も日本人の女房をもち、二人の間には久美子という娘がいる。彼らは、貿易商をやっている周の親父から料理の教えをうけたのだった。ある日、周は孫の紹介で易占い紅生姜のところを訪ずれた。親父の遺産で徳や孫と共同で駅前飯店を経営しようというのだ。だが一緒に仕事をするには仲間が悪いというオツゲ。彼は共同をやめることにした。そんな決心をして帰った後、顔をだしたのは紅生姜の亭主で悪質な土地ブローカー。女史にこういわせたのは亭主林の仕業である。こんなことがあって以来、周と徳の仲は急に悪くなっていった。徳の家では女房のけい子が、彼女に内証で店を売り、林が客をつれて買いにきたというのだ。そんな折も折、香港にいる父親が死んだという電報が舞いこみ徳は...
場末の繁華街にある金成ビルの管理人伴野孫作と女房のかね子は、ホステスや近所の商人相手の高利貸をする金の盲者だ。ある日、ゴールデンフジのホステスNO1の染子が、次郎のために金を貸りに来た。次郎には、恩師で会計学の権威前川博士の一人娘由美というフィアンセがいた。だが書生時代前川から見込まれた次郎も、学者を嫌ってバンドマンになった今、前川夫妻の頭痛の種であった。染子はそんなこととは露知らず次郎にぞっこんまいってしまった。そんなある日、前川夫妻は、四十歳にして経理士の資格を取った森田徳之助を祝うと称して、成金の高岡三平と由美を料亭“しまの家”で会わせた。三平と徳之助は大学が同期であったが由美の前でダイヤの指輪をちらつかせる三平に、祝の席を奪われてしまった。翌日、染子が工面した金を持って徳之助の所に現われた次郎は、三平の話を聞くとしょげこんだ。アパートへ帰っ...
ドン底から這い上がり長者番付1位にまで登りつめた男の実録サクセスストーリー!!ロス疑惑の三浦和義 初プロデュース大作映画!!
浅草の歌仙茶屋の女お粂は、代地の新助という遊び人が境内の鼓楼に逆さづけになって死んでいるのを発見した。前日、赤犬の巳之吉を探していた男である。同心米倉は、新助の親分聖天の嘉兵衛を訪ねたが、何も手がかりはなかった。嘉兵衛の娘おしんは新助の出入をもう以前に差し止めてあるといった。--その頃、江戸に、米問屋の子どもたちが次々にさらわれる事件が起っていた。その日も米問屋備前屋の子どもがさらわれ、身代金、千両が要求された。--姥ケ池の暗黒街巳之吉のドヤへ遊び人清次が十年ぶりに訪ねて来た。巳之吉は始めうたぐったが、証拠の品にすっかり打ち解けた。同じシマに育った兄貴分なのだ。清次はおしんとも幼馴染だった。--幼児誘拐事件はなおも続いた。呉服問屋和泉屋善兵衛を除く大店は皆被害をうけた。和泉屋は先年十組問屋をはずされていた。--これらの子供は浮浪児次郎吉が誘い出...