将軍綱吉治世の頃、柳沢出羽守吉保は、愛妾を将軍家に献上、これに子供が出来たのを機会に天下を取ろうとしていた。だがこれを砕こうとするのが狼人足柄悠太郎、前将軍家綱の御落胤。権力争いにまき込まれるのを心配した母の配慮で、ひそかに織部玄左衛門父子の手で育てられていた。織部達は、吉保の動きを知り、悠太郎を綱吉に対面させ、いち早く後継者にしようと計った。これを知った吉保は服部玄斎を首領とする甲賀七人衆に悠太郎の暗殺を命じた。玄斎は立派な忍者だが病床にあり、その上、息子小源太は術が未熟だった。高弟刑部達は玄斎の制止を無視し、徳川の血筋を守るためと、悠太郎の身辺に迫った。玄左衛門父子と、悠太郎を慕う少年丹吉が次々と殺された。家来達を殺され激怒した悠太郎は、吉保の邸に乗り込んだが、待ち構えた忍者達に窮地に追いつめられた。が、吉保の娘鮎姫に助けられ無事たちかえることが...
前篇--昭和六年、製糸工場では少しでも安価な優秀な生産を目ざして大わらわだった。それにはまず貧しい農家の娘を、ただのような労働賃金でかり出す方法がとられていた。津島製糸では糸のセリプレン検査を行い女工の競争心をあおらせる方法がとられていた。東京で展覧会が催され製糸の実況をみせるのに選抜されたのがいつも成績第一位のしづ江と古参のおスガだった。若い工場長津島と共に上京したしづ江は、ふとしたことからとり返しのつかぬ、あやまちをおかす結果になってしまった。それからのしづ江の成績は下る一方だった。片時も恋人能代と津島の顔がさくそうし、良心のかしゃくに責められた。しづ江はすでに妊娠していたのだ。気の弱い能代はそれを知ると津島の援助をうけて結婚し、しづ江を救おうとした。工場内では検番の職柄をカサに女工をだます男、女工もまたへつらうためには貞操さえもおしまないほど乱...
ドサ廻りの劇団ヴアンベールに属する加地茂樹、里村東介、奈々子の三人は、座長林の悪辣さに憤慨して脱退した。帰京した茂樹と東介は、エキストラ等をして働らいていた。茂樹は新映撮影所の宣伝部員北野に勧められ、ニューフェイスに応募した。宮森宣伝部長と沖山プロデューサーの目にとまった茂樹は、映画界に入り、一躍ベラテン女優京極真弓とのコンビで圧倒的な人気を得た。得意絶頂の茂樹は、真弓と乱脈な愛欲の生活を送り、彼を愛する奈奈子に冷く当った。入気スターとしてチヤホヤされてのぼせ上り、茂樹は自分の仕事に勝手な注文をつけ、また出演料の増額を要求した。彼の態度に怒った会社の幹部等は、彼の代りに新人の谷徹郎を起用した。慌てた茂樹は東亜映画へ出演を依頼したが、所長から真弓とのコンビならと言われ真弓を誘うが、相手にされなかった。一方、東介は地味ではあるが脇役として演技を認められ、...
暮蟬鳴泣時》故事從昭和 58 年(1983年)6 月開始,男主角前原圭一搬到人口不到 2000 人的小鎮雛見澤村開始新生活,在此結識同學龍宮蕾娜、園崎魅音、北條沙都子、古手梨花等人,成為社團好友。但是在這小鎮,卻有著前原圭一所不知道的過去......事件也就此揭開序幕。《暮蟬鳴泣時 卒》故事將會延續《暮蟬鳴泣時 業》,看似與過去相同輪迴的雛見澤,在不知不覺中發生了變化。
東京のとある屋敷街、立野駿介は帰宅した西川に新聞記者だと偽りフラッシュをあびせた。新宿で相棒の吉村とおち会った立野を見れば、記者でないことは一目で知れた。表面は平凡な一店主の立野は、実はあくどい周旋屋、宗教研究会を作って新興宗教から寄附と称してゆすり、たかりまでしている有様だった。競輪場で西川の部下が闇の拳銃を買う現場を目撃した彼は、警察に知らせる一方新聞の方をもみ消す役を買って出た。西川を追ったのも彼と浅からぬ関係のある新興宗教の不滅教会をゆするためだった。新聞種を恐れる不滅教会では、星野事務局長が立野と吉村に三十万円渡した。立野は女にも目がない。テレビの女優の田鶴子、歌手志願の園子、頭の弱い田舎娘、女給の民江、皆かせげるだけかせがせてピンハネした。使っただけの資本は回収する、という寸法だった。三十万円に味をしめた立野に、教会の経理担当理事越村が訪...
浅間山麓の曽根集落は、水源地の問題で土地の人々と土建会社の間に争いが絶えない。講演会の途中、大沼博士に随行して実業家立花公房の別荘を訪ねた少壮植物学者幾島暁太郎は、立花の秘書斎木素子に思慕の情を寄せるが、素子の本心が掴めず悩んだ。まもなく妻と別居中の立花がとつぜん謎の自殺をとげ、素子は立花が投資している土建会社の社長田沢の秘書になった。二年間も幾島を慕いながら、打ち明けずにいる大里町子は友人の尽力で幾島に会うが、彼が素子を恋していると知って悲しくも諦めようとした。一方、素子から曽根集落の黒岩万五のような野性的な男が好きだといわれた幾島は、一切を清算して紀州の自然科学博物館に就職した。ある日、幾島は見学団の中に町子の姿を見出したが、町子は憤りをこめた眼で逃げ去るのだった。そのころ、素子は田沢の指図で立花別荘をホテルに改造するため、浅間山麓にあったが、水...