瀬戸内海の小豆島にある日向家は末娘クニ子実枝の二人によって守られて来た。父母は既に亡く、十人の兄姉も女ばかりの五人に減ってしまった。クニ子は島の小学校に勤め、家事は実枝が切り廻していた。そんな或る日実枝の発案で、もう十数年も会わない姉達を呼んで、死んだ家族の法事をする事になった。そして法事の日が近づくにつれて法事客が次々と到着した。真っ先に駈けつけたのは大阪から来た次女のカヤノ。長女のミチも十五年振りに広島からやって来た。東京にいる五女高子は主人が労働運動に捲き込まれ留置されているので少々遅れるとの事であった。久し振りに日向家の座敷には笑声が流れたが、この機会に自分の結婚話しを打開けようと思っていた実枝は、なかなかそれが切り出せない。そこへ実枝の恋人で農場に働いている石田がやって来た。実枝はそれで勇気づいたのか突然話しを切り出したが、実枝のその一生...
解説
「春色お伝の方 江戸城炎上」の阿部豊が製作監督する敗戦裏面史で、脚本は「母の秘密」の館岡謙之助が執筆。撮影は「黒い潮」の横山実の担当である。出演者は「鞍馬天狗と勝海舟」の早川雪洲、「東尋坊の鬼」の藤田進、「鶴亀先生」の斎藤達雄、「黒い潮」の山村聡、「鉄火奉行」の柳永二郎、「トランブーラン 月の光」の沼田曜一、小笠原弘、「関八州勢揃い」の舟橋元など。
ストーリー
昭和二十年五月、サイパン、硫黄島、比島等に日本の敗色は濃く、東京も再度の大空襲に火の海と化した。だが陸軍省部内では、依然として、本土決戦を目指して張切る将校達の姿があった。やがて沖縄守備軍も全滅し、米軍も本土に迫ってきたが、米英ソのポツダム会談により、七月二十七日、日本に対する最終の降伏条件を規定した三国共同宣言を放送して来た。首相官邸の会議室では、総理以下の閣僚達は、共同宣言を有条件...
【新東宝映画傑作選】神武天皇の東征から始まり盧溝橋事件に端を発した日中戦争太平洋戦争敗戦米軍占領皇太子のご成婚親王殿下の誕生まで日本と皇室を描いた戦争歴史大作嵐寛寿郎三ツ矢歌子佐々木孝丸宇津井健細川俊夫天知茂菅原文太林寛ほか出演
神武天皇の御東征--昭和十二年七月七日芦溝橋に端を発した日中両軍の戦闘。陛下は戦争状態を解決する努力を続けたが、軍の巨大な力をどうすることもできなかった。昭和十六年十一月二十六日、最高戦争指導者会議は開戦やむないとの決議がなされた。陛下は万機公論に決するという明治以来の伝統と、立憲国の君主としての分をあくまでも守らなければならなかった。十二月一日、開戦の議は決せられた。緒戦は華々しかったが、ミッドウェイ海戦の敗北を契機に日本は劣勢にたった。しかし、攻府軍部は国民をしゃにむに戦争にかりたてた...
あらすじ - 重臣と青年将校 陆海军流血史(1958)
あらすじ
不况に喘ぐ日本にとって満州は経済军事両面の生命线と考えた田中义一首相は、満州に対し积极外交を进めていたが、张作霖の排日行动によって难航を极めていた。この田中外交を软弱と见た陆军の急进将校たちは関东军の河本大佐をして张作霖を爆死させ満州の一挙占领を企てたが参谋长斎藤少将に妨げられた。张作霖爆死事件で内外の反対を受けた田中内阁は政権を放弃、代って内阁を组织した浜口雄幸は、中国との友好外交、军缩政策を强行したため急进将校、右翼思想家の反感を买い、东京駅で狙撃された。昭和五年のことである。ところが、この机に乗じ桥本欣五郎中佐と右翼思想家大川周明は、満州占领と军**树立を计り、陆军次官杉山元を通じ陆相宇垣一成へその具体案を提示、决起を要望した。が、宇垣陆相はこれを退け桥本中佐以下を満州や地方...
東和銀行から支店に向かった現金輸送車が襲撃されるという事件が起こった。
現場に惨殺されていた中田秀子に残った指紋から、新宿界隈の不良グループの一人が共犯者である事を発見した警察は杉山刑事に捜査を開始させると同時に婦人警官の瀬川路子を鈴子と変名させ女子少年院に潜入させ、捜査を開始させた。秀子にくわしい圭子に近づこうとするが圭子も無残にも殺されてしまう。
数日後、鈴子は事件に関係していると見られる山村に誘われ巧みに彼の拳銃を抜き取り鑑識で調べるが事件で使用された拳銃ではなかった。最後の手段として新宿で勢力を持つ不良グループの姉御である朝子に接近する。強度の麻薬中毒にかかっている朝子が共犯者の一人とみていたが、彼女の告白によれば汚職事件を葬る為に、父を殺害した男に復讐する目的で身を落とした事実を鈴子に告げる。
鈴子は朝子の身の潔白を信ずるが、彼女の所持する...