帯広ばんえい競馬の落ちこぼれ新人騎手北村俊平。今日も着外に沈み、デビューから2ヶ月半を過ぎても勝利数はわずか1勝。同期のライバル森山優斗に水をあけられ、俊平の焦りは募るばかりだった。
ばん馬が競争馬になるための「能力試験」は、馬にとっては生き残りを賭けた厳しい関門だ。しかし俊平はここでも騎乗したトヨノコトブキを合格させることができず、馬主の名物婆さん穂積トヨの怒りを買ってしまう。騎手として生きることを諦めかけた俊平だが、「お前は騎手を辞めても生きていけるが、馬には他に生きる場所がない」という現役トップの名騎手倉橋裕二の叱咤や、就職につまずきながらもこのばんえい競馬で懸命に頑張ろうとする広報担当の新人吉野早紀に勇気付けられ、逃げずにここで騎手として生きていく決意を固めるのであった。
2013年春季 NHK 日剧SP
岐阜市に残る伝統の町に、男芸者の花が咲く
病気の母(伊藤蘭)が、最後に息子の次郎(桐谷健太)に会わせようとしたのは、伝説の幇間と呼ばれた梅次(野村又三郎)だった。梅次が自分の父親らしいと知った次郎は、行方不明の梅次を探す。そして、次郎が出会ったのは、美しい芸妓の梅花(蓮佛美沙子)、粋な呉服屋の山藤(林隆三)、置屋の女将晴代(岩本多代)ら、悲しみを背負いながらも笑顔で生きていこうとする人々だった。
そして次郎が知る父の真実とは。
2011年秋 NHK SP
昭和16年、日米の緊張が高まるなか、「甲標的」という二人乗りの特殊潜航艇の搭乗員に選ばれた酒巻和男少尉は、岩佐直治大尉らとともに愛媛県佐田岬半島の三机で訓練に励んでいた。酒巻たちの宿となった岩宮旅館の娘の緑は、訓練生たちから慕われていた。
同年12月8日、酒巻たち10名は5艇の甲標的に乗り込み、真珠湾攻撃に参加する。しかし、全艇帰還せず9名が戦死。ただひとり酒巻だけが生き残り、太平洋戦争における捕虜第一号となった。
大本営は戦意高揚のために9名の戦死者を「九軍神」と讃える一方、捕虜となった酒巻の存在を隠そうとした。酒巻はアメリカ国内の収容所で捕虜生活を続けるうちに、なぜ自分だけが生き残ったのか、生かされた自分は何をすべきなのかを考えていく。
ゴミ清掃員として働く主人公の慶介(27)。薄給ながらも一緒に暮らす彼女に貢ぐ日々。彼女が運び込まれた病院で、慶介と同じくバンドマンの彼に貢ぐ看護士のハナ(34)と出会う。他の人には理解してもらえない「貢ぐ」行為は無償の愛をささげているから、と互いを唯一の同士として認め合う2人だったが、ある出来事をきっかけに「貢ぐ」行為が無償なのではなく、彼女に愛されたいがためにしていたと気付く。慶介がハナや職場の人間、家族との交流を通して成長していく人間ドラマ。
2010年冬季 フジテレビ 日剧SP
とある小学校に赴任し6年3組を受け持つことになった今村克彦(濵田雅功)は着任早々、職員室でも教室でも、私立中学の進学組と公立組とにハッキリ分かれている空気に驚きと戸惑いを感じる。副校長の鈴本(田山涼成)には「6年生は大事な時期やから傾向と対策をバッチリ練ってきています。まかしといて下さい」と胸を張るものの、東大出身で副担任の御茶ノ水(溝端淳平)には「わからん勉強あったら、たのむわ」とにくめない笑顔でこっそり頼む。
同じ頃、保健室で軽い貧血のため休んでいた6年3組の生徒ミカ(未来穂香)がベッドから起き上がる姿に気づいた養護教諭の田中千佳子(飯島直子)は「島谷先生(蓮佛美沙子)に聞いたけど吹奏楽部やめちゃったんだって? やっぱり受験のため?」と優しくたずねるが、ミカは無言のまま手洗い場で手を洗い始める。その後どんな...