警視庁捜査一課の刑事棟居弘一良(東山紀之)は非番の日、同僚刑事神林武人(きたろう)の娘である一子(貫地谷しほり)と共に、東京都下にある羽澄峠へ向かう。ハイキングを楽しんでいたところ、山の斜面で白骨死体を発見する。
検視の結果、死体は出産経験がある20歳前後の女性で、死後20年から30年が経過。骨の損傷具合から、交通事故で死亡した可能性が高いとわかった。白骨の周囲からは、25年前の羽澄市の成人式で配られた記念メダルや消防車のミニカー3台なども見つかった。
それを聞いた神林は、過去に自分が関わった事案だったかもしれないと言い出す。
実は25年前、神林が羽澄署管内の駐在所勤務の“お巡りさん”だったとき、近所に住む70代の老女が交番に駆け込み、「若い女性が車にはねられた、車に乗っていた3人の若い男が女性を乗せて走り去った」と訴えたことがあったのだ。しかし...
本作は、子供のいない夫婦に卵子を提供するエッグドナー(卵子提供者)に志願した2人の女性を描く物語。独身主義者の純子と女性を愛する葵の関係を通して、社会から求められる女性像と実像のズレに悩みながらも、母になりたいと願う女性の姿が切り取られていく。純子と葵はどちらがドナーに選ばれるかと期待や不安を感じながら日々を過ごすが、やがて「遺伝子上の母になりたい」という同じ目的を抱き“選ばれる”ために新たな生活を始めようとする。