お七は、老中阿部伊予守の妹姫の身でありながら、捕物稼業に浮身をやつしていた。お守り役の兵馬は、お七を連れ戻そうとするが、素直に屋敷へ帰るお七ではない。二人の口喧嘩の間に、伝馬町の牢屋敷に大事件が持ち上っていた。お七と名のる女が、南町番所与力を通じて牢内に入り、その直後に起った火事の混乱にまぎれ、大塩騒動の残党が逃走したのだ。お七を破牢手引の嫌疑で、南町奉行甲斐守の捕方がとり囲んだ。これを助けたのは、他ならぬ兵馬だ。お七は、南町番所与力の家に忍びこみ、謎の女が落していった“散らし小判”の小柄を手に入れた。お七の去った後、番所与力と妻女が何者かに惨殺された。お七は“散らし小判の”小柄が浪路太夫のものであることを探り出した。一座の裏口で浪路と話している若者をみて、彼女の目が光った。この若者は、牢破りの大塩の残党清之助だったからだ。彼の後をつけ、清之助...
『江戸っ子判官とふり袖小僧』(えどっこはんがんとふりそでこぞう)は、1959年(昭和34年)7月26日公開の日本映画である。東映製作配給。監督は沢島忠、主演は片岡千恵蔵。カラー、東映スコープ、86分。