警視庁捜査一課の十津川警部(内藤剛志)のもとに京都から郵便が届いた。送り主は新宿の高級クラブの若いホステス井岡さつき(瑛蓮)で、手紙には十津川警部と京都で3日間を楽しく過ごしたと記してあるとともに、十津川への恋心まで綴られていた。また、数日前に新宿で暴漢に襲われていたさつきを十津川が助けたとあったが、十津川には全て身に覚えの無いことだった。
亀井刑事(石丸謙二郎)と北村警部補(友近)ほか捜査一課の刑事たちは、十津川に限って浮気はありえないと思いながらも、その手紙が原因で、十津川の妻直子(池上季実子)が家を出て行ったことを知り複雑な心境だ。さつきが十津川と泊まったという旅館に亀井が電話をすると、宿の女将は確かにその二人に間違いないと証言する。ということは、誰かが十津川警部の名を騙っているのだろうか。
そんな疑問の湧いた数日後、さつきが新宿の自宅マン...
スーパーのレジ係の日本一を決める全国レジ係コンテストの翌日、タレントの辻岡真里亜が何者かに殺害された。容疑者として浮上したのが、レジ係のカリスマとしてコンテストに出場していた木島美弥子。美弥子は遺体を発見して警察に通報したのだが、コンテストで買い物客役として出場していた真里亜と揉めていたこと、更に、現場で不審な行動をとっていたことから逮捕され、朝日奈耀子の元に送検された。だが取り調べで美弥子は一貫して黙秘を続けた。美弥子はなぜ真実を言わず、頑なに黙秘するのか……。
やがて意外な事実が判明した。美弥子の息子木島健太郎は、今年東京地検に配属された新人検事だったのだ。健太郎は美弥子の取り調べに参加させて欲しいと訴えるが、耀子は拒否……容疑者の肉親を取り調べに参加させるのは許されない……。
耀子の取り調べで奇妙な事実が浮かび上がった。真里亜が殺害された...
エネルギッシュにアクションを撮り続け、日活ニューアクションの若き後継者と噂される長崎俊一の第5作目。大胆な演出快適なテンポに加えて達者な役者陣を揃えて、観客をひきずり込んでゆく迫力は実証済み。
時は幕末。盛岡南部藩の吉村貫一郎(渡辺謙)は、藩随一の文武両道の士であった。だが身分は二人扶持の足軽同心で、一家は飢餓に襲われていた。脱藩を決意した貫一郎は、故郷を捨てて京へ上り、新選組に入隊する。近藤勇(柄本明)、土方歳三(伊原剛志)、沖田総司(金子賢)らの前で永倉新八と剣を合わせてその腕前を見せた貫一郎は剣術師範方の地位を得た。そして手当てを求めて浪人を斬りまくり、「人斬り貫一」と恐れられるが、全ては故郷で自分の帰りを待ち続ける妻のしづ(高島礼子)と子どもたちのためであった。新選組で一目置かれる存在となった貫一郎であったが、時流に翻弄された新選組は内部崩壊をはじめ、滅びへの道を進んでいく……。